米大統領選の取材の合間に、首都ワシントンを見渡す丘にあるアーリントン国立墓地を訪れた。東京ドーム55個分の敷地に、ベトナムや朝鮮半島で戦死した兵士ら40万柱以上の墓が並ぶ。秋晴れの静かな午後、人々は紅葉のもとを散策していた。
訪れたのは、1年前に100歳で死去したヘンリー・キッシンジャー元国務長官の墓があると聞いたからだ。
キッシンジャーといえば、1970年代に米中接近やソ連とのデタント(緊張緩和)を進め、ベトナム戦争の和平ではノーベル平和賞を受賞した大物外交官だ。第2次世界大戦での従軍歴もあり、2017年に当時のオバマ大統領からこの墓地への埋葬資格を与えられていた。
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ただ、実際に探すのには難儀した。
入り口から起伏のある道を歩くこと約30分。墓石の番号に目をこらし、私費で建てられたとみられる一般より大ぶりの墓石が並ぶ中にようやく見つけた。
記者がようやく見つけたキッシンジャーの墓は、「記念碑を」という本人の意思とは違った姿でした。なぜでしょうか。キッシンジャーの評価を巡る議論から、トランプ次期政権に求められる対中姿勢について考えます。
「評価分かれる人物」米サイト
見つけにくかったのも無理は…